ダイナミクス分野は、ハードウェアである機械としての観点から自動車を捉え、その観点に基づいた研究および教育行っています。研究内容は、自動車動力源、自動車車体の空気力学、自動車構造の動力学・振動応答から自動車の生産技術に関する内容にわたっています。教育内容は、主として機械工学に基礎を置き、機械工学において体系化されている四大力学（材料力学、流体力学、熱力学、機械力学）に信頼性工学を加えた自動車構造・運動系の基礎科学から、自動車動力源、空気力学、振動工学等への応用を含んでいます。さらには、自動車から生成される大気汚染物質とその低減方法に関する教育も行っています。
教育・研究
ダイナミクス分野
空力性能向上を目的とした車体周りの流体現象の解明（数値流体力学，乱流）
流体力学は、自動車の空力性能のみならず世の中の様々な流体機器の性能に深く関わっており、機器内外の流れの理解はその性能向上に不可欠である。本分野では、工学的に重要な複雑な流れ現象を広く取り扱うことにより工学的に有用な知見を獲得し、さらにそれらを自動車周りの流れの制御に応用することにより、自動車の空力性能のさらなる高度化につなげることを主たる研究の目的としている。
自動車構造の効率的な振動解析方法の開発と新しい計測技術による高精度生産技術（有限要素法，振動解析，超音波計測，生産技術）
自動車構造の振動は乗り心地や騒音に直接かかわる重要な問題です。多種多様で複雑なパターンを見せる自動車構造の振動を、効率的に抑制するための振動解析手法と設計手法を提案しています。また、自動車構造の構成要素が最高のパフォーマンスを発揮するには高精度な組み立て技術が必要です。ここでは超音波を用いた新たな計測技術を応用し、高精度な組み立てを安定的に実現する生産技術も開発しています。
高効率・低エミッション内燃機関（噴霧燃焼、予混合圧縮着火、ジェット点火）
内燃機関は自動車の動力源としての役割はもとより、電気自動車や燃料電池自動車に用いられる二次エネルギーを生成する役割からも重要です。環境負荷を抑え資源を有効利用するには、排気がきれいで効率よい内燃機関が求められます。これらを達成する予混合圧縮着火（図）と呼ばれる新燃焼法や、噴霧燃焼のモデル化などの研究を行っています。